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2000
06.20

ペット感染症 オウム病 トキソプラズマ イヌ・ネコ回虫症

Category: 感染症   Tags:健康
かわいいペットから、思わぬ病気をもらう人が増えています。動物は、人間とは違う生き物だということをきちんと認識して、節度あるつき合いを心がけましょう。


増える「ペット感染症」


 動物がもっている病原微生物が人間にうつる「ペット感染症(人畜共通感染症)」の増加が指摘されています。ペット感染症は、人間が注意をすれば防げるものです。「ペットの糞は早めに処理する」「口移しで餌をやるなど過度の接触を慎む」「ペットに触った後は手洗い、うがいをする」などを守り、上手につきあっていくようにしたいものです。


オウム病


 「オウム病」とは、鳥類に感染する微生物「クラミジア」に、人が感染して起こる病気です。クラミジアに感染した鳥の糞、鼻水やくしゃみなどの飛沫、死体などから空気感染します。多くの場合、飼われているセキセイインコやカナリア、文鳥などからうつり、のどの痛みやくしゃみ、発熱など、かぜによく似た症状が現れます。

 オウム病には、テトラサイクリン系やマクロライド系の抗生物質がよく効きます。しかし、症状がかぜとよく似ているため、症状だけでオウム病と判断するのは極めて困難です。受診の際には、「小鳥を飼っているか」「鳥と接触する機会があったか」などを、必ず伝えるようにしてください。また、クラミジアに感染した鳥も、くしゃみ、鼻水などの症状がでるため、鳥のオウム病が疑われる場合は、取り扱いに十分注意してください。


トキソプラズマ


 「トキソプラズマ原虫」は、ネコの腸内で成長する寄生虫です。ネコの糞から感染するケースと、トキソプラズマがブタやウシ、ニワトリなどに感染し、その生肉を食べて感染するケースがあり、感染の大多数は後者のケースです。トキソプラズマ感染症はありふれた病気で、ほとんどの場合は症状が現れません。

 問題になるのは、妊娠中に初めてトキソプラズマに感染した場合で、約40%の確率で胎児に感染が見られ、そのうちの約20%に障害が起こります。障害のほとんどは、青年期になって発症する「網脈絡膜炎」に伴う視力障害です。ただし、乳幼児期に感染を察知して抗菌薬を服用すれば、網脈絡膜炎の発症をほぼ抑えることができます。

 トキソプラズマの感染時期は検査で分かり、妊娠中の感染がわかった場合は、抗生物質で治療できます。妊娠前の抗体検査で陰性の場合は、「若いネコとの接触を控える、肉の生食を慎む、生肉を扱った場合は手をよく洗う」といった注意を心がけてください。


イヌ・ネコ回虫症


 イヌやネコの腸にいる回虫が、人に感染することがあります。知らないうちに口から入って感染することもありますが、いちばん多いのは、回虫に感染した鶏のレバーを生で食べて感染するケースです。一時期、公園の砂場からの感染が騒がれましたが、実際の感染例は多くはありません。

 イヌ・ネコ回虫は、人間の体の中では成長できず、幼虫のまま体内を動き回ります。この幼虫を除去する薬はありませんが、大抵の場合は、肝臓に入ったときに免疫作用(体内の異物を攻撃し、排除するシステム)によって殺されてしまいます。しかし、ごくまれに肝臓から、肺や目の網膜の下まで移動するものもあります。回虫が肝臓に入り込むと、「おなかが張って熱が出る」ほか、砂などを食べたくなる「異味症」などの症状が現れることがあります。しかし、回虫が死ねば、症状は自然に改善されます。

 感染を予防するために、イヌを飼う人は子犬のうちに一度駆虫剤をのませます。ネコの場合は、定期的に便を調べてもらい、糞中に回虫の卵があったら駆虫剤をのませましょう。


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