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2000
04.17

肩反復性脱臼 手術をしたほうがよいのか

Category: 骨・関節の病気   Tags:健康
19歳の時にスキーで肩を脱きゅう。その後も十数回繰り返している。医師には激しい運動をしなければ外れないと言われているが、ちょっとした動きで外れることも。脱きゅうすることで、心臓を圧迫するように感じ、日常生活が不安だが、手術をしたほうがよいのか? また、筋力の強化方法を教えてほしい。

若いころに脱きゅうすると、後に何度も繰り返してしまうことも多いようです。
頻繁に関節が外れるとなると、やりたいスポーツが制限されるばかりではなく、日常生活にも支障をきたしてしまいます。
なぜ繰り返すのか、どのようにして予防したらよいのかなど、専門医がアドバイスします。
解説してくださったのは日本医科大学助教授、伊藤博元先生。


肩反復性脱臼とは


肩の関節というのは、肩甲骨と上腕骨の2つからできてます。肩の脱きゅうは、この上腕骨が前に外れてしまうことですが、この方の場合は、もっと中の方に外れてしまい、非常に圧迫が強くなるということから、いろいろな症状が出てくるわけです。
繰り返し脱きゅうを起こすことで、レントゲンでは写らない部分にもいろいろな損傷、障害が起きてるということになります。

関節は骨からできていますが、実はその補強をするために関節の袋があります。そこには軟骨があるのですが、脱きゅうを繰り返すたびに、特に肩甲骨側の軟骨がすり減ったり、はがれたり、なくなったりします。
あるいは、関節の袋がはがれて緩み、広がってしまうことなどから、外れやすくなるわけです。

つまり、ある程度ある動作をすると、外れやすい道ができてしまうというようにお考えになっていただいてもいいと思います。


肩反復性脱臼 防ぐには筋力強化を


注意すべきことの一つは、日常生活で肩が外れそうな動作をあまりしないようにしていただくことです。そして、筋力強化を積極的に行っていただくことが必要です。
筋力強化といいましても、鉄アレイを振り回すのではなく、肩に近いところにあるインナーマッスルという関節に近い筋肉を鍛えることが必要だと思います。

肩の前方の筋肉、特に前にある肩甲下筋(けんこうかきん)と棘上筋(きょくじょうきん)という筋肉を中心に鍛えて、肩の安定性を少しでも高めるようにすることです。

この筋肉を強くするには、チューブを使うとよいでしょう。まず、ひじを曲げて両手を前に出し、ひじにチューブの輪をかけて、それを広げるような形をします。今度は内側にすぼめるような形をしましょう。こうすることで、肩の前方の筋肉がつくわけですが、この筋力強化を数十回ずつ何セットか繰り返し、数か月から半年ぐらい続けてみてください。それでも外れるようであれば、その時に手術の対象になるというように考えてよいと思います。


肩反復性脱臼の手術


手術には1か月から1か月半ほどの入院が必要

手術が必要とお考えなった場合、まずはきちっとした検査を受けて原因を見つけることが大切です。手術は、広がってしまった関節の袋をきちっとした形に縫い縮めるということが一つ。それから関節の軟骨が残っていれば、これも修復してあげるということですね。後は、前にある肩甲下筋をきちっとした形にして外れにくくする、肩の関節を丈夫にするというのが手術の概略です。

だたし、手術後のリハビリが重要になりますので、3か月から半年ぐらいの時間的な余裕が必要だろうと思います。

また、手術ということになりますと、1か月から1か月半ぐらいの入院が必要になるかもしれません。少なくとも手術をしてから3週間ぐらいは腕を固定しなければならないでしょう。大体手術してから2~3週間後からリハビリを少しずつ始め、1か月半後ぐらいで、ほぼ日常生活の動きに戻るといったことが目安だと思います。

相談者は、重たいものや長いものを持とうとする時や、後ろに手を回す時などに、肩が外れるのではないかと気をつけているそうです。日常生活で気をつけられる範囲でしたらよいのですが、寝ている時に外れたり、かなりつらいようでしたら、手術も考慮していただく一つの治療方法だと思います。

手術によって、2割から3割ぐらいは動きが制限されますが、日常生活やウィークエンドのスポーツぐらいでしたら、ほとんど問題がございません。


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